ずいぶん前に「化学物質過敏症」について論じたことがあった。あのときは「医学的根拠」をめぐってさんざん対立した覚えがある。今ブログを読み返すと、当時のわたしの浅はかさがあからさまに出ていて恥ずかしい(ので下書きにした)。
SNS、それこそThreadsでもmastodonでも、「化学物質過敏症」のひとが「医学的説明」を繰り返して、いかに自分にとって化学物質が有害かの説明を繰り返ししている。
そんな風潮にちょっと待ったと言いたい。医学的にどのような現象が起きているかの解明はとりあえず医学者に任せておいて、現実にどのような困りごとがあるのか、そしてその困りごとを増強させたり軽減したりする因子がどれなのかを記述する方がよほど建設的に見える。
今では、国際生活機能分類(ICF)というツールがある。ICFを使ってどのような困りごとがあって、その困りごとを増強させたり軽減させたりする因子を記述してみようではないか。少なくとも、わたしにとっては、「化学物質過敏症」を自認するひとの「医学的病名」が喘息と心的外傷後ストレス症の併発なのか、身体症状症なのか、それとも本当に微量の化学物質に強い反応を示すのかはさしあたりどうでもいい。どのような困りごとがあって、その困りごとにどのような因子が影響するのかがわかればいい。どのようなdiseaseがあるかにかかわらず、現実にdisabilityは存在するのだから。それに、「医学的説明」にこだわり続けていると、かえって病気を悪くする気もする。
わたしは、「化学物質過敏症」をめぐっては、diseaseではなくdisabilityの議論をしたい。あなたは、どのようなdisabilityがあるのですか?