ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

人間性を失うのは、そんなに難しいことではないらしい。

あの発言から、大量虐殺を連想したのはわたしの過剰な連想だったのかもしれない。そうではないのかもしれない。 だけど、大量虐殺を連想しなくていいのは幸せだなあとは思う。 亡くなった祖父が、生前、戦争で行った南方の島で何をやってたか話していたとい…

当事者会は想像以上に脆弱だった

以前、当事者会がクローズドを保てる不思議を書いた。その時は本当に不思議だったのだが、最近になって、クローズドを保てていたのは単なる偶然の産物に過ぎなかったことを知った。 たまたま脆弱性が問題にならなかっただけで、実際に脆弱性を突かれたら大混…

学校の制服によって隠せる貧富の差とはいったいなんなのか

本題を始める前に注意書き。この記事で、「貧困」とは、暮らしぶりをよくする実質的な自由が損なわれた状態(アマルティア・センさんが言う「ケイパビリティの欠如」)を言う。低所得はこの記事で言う貧困に含まれるが、貧困とはこれに限られるものではない…

目先の安さを求めた結果

先日、いつもの薬を調剤してもらいに調剤薬局に行った。先月も調剤してもらっている薬のメーカーが変わったが、今月もまた別の薬のメーカーが変わった。さらにひどいのになると、後発品が入ってこなくなり、先発品に変わった薬もある。Twitterで内科医の@med…

それって「あなた方はロンドンには邪魔ってことよ」になりません?

見なきゃいいのに相変わらず見ているTogetter。最近のまとめに気になるコメントがあった。このまとめに書かれたコメント。 togetter.com さーたん@もふもふ @tripleoddさんが生活保護で区越えができないことを指摘していたが、この人は同時に、「国全体で見…

選択的夫婦別姓の対案に「通称使用の拡大」を持ち出す人の考えがわからない

「通称使用の拡大」によって不便を解消していこうとすれば、「通称」に法的な効力を持たせるしかない。よって、改姓した「戸籍上の姓」が使われる場面をどんどん減らしていかなければならない。普段は誰も見ない戸籍上の姓が同姓なら日頃使う姓がどうであろ…

通信制高校は買われ過ぎた

文部科学省が、「「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議」を立ち上げた。その第一回の議事録が文科省のサイトにアップされていた。 www.mext.go.jp 目を引くのは、早稲田大学人間学術院教授の森田裕介さ…

「あしきものは久しからずしてうせん なんぢ細密にその處をおもひみるともあることなからん」(詩篇37:10)ですね。

日本聖書協会刊行・明治元訳聖書による「詩篇」の一節。 あしきものは久しからずしてうせん なんぢ細密にその處をおもひみるともあることなからん ―詩篇37篇10節 この聖句が何を言っているのか、わたしに教えてくれる出来事がここ最近起きた。悪事を働いて、…

「言論の自由」をめぐる覚書

「言論の自由」には「批判の自由」も含まれる この間、言論の自由には批判の自由も含まれることを踏まえない意見が多数見られた。「言論の自由」が、何らの批判も受けず、ただ受容される権利を指すものと勘違いしている。そして、批判に対し「暴力」とレッテ…

横浜の大部分は多摩丘陵の上

最近見つけたまとめ。 togetter.com そらそうですわ。横浜の大部分は多摩丘陵の上にあるんですから。地理院地図で地形を見ると、東京都の多摩南部から神奈川県の三浦半島に続く多摩丘陵が、横浜市の大部分を占めているのがわかりやすい。関内周辺はむしろ横…

フリースクールのほとんどは社会教育法に言う社会教育関連団体。ってか、社会教育法忘れてません?

社会教育法によれば、「この法律において「社会教育」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に基づき、学校の教育課程として行われる教育活…

TERFはシスジェンダー女性を「守る」ためなら誰だって踏み台にする

ある人たち(TERFと呼ぶらしい)は、トランスジェンダー女性に、「多目的トイレを使えばいい」と言う。トランスジェンダー女性が女子トイレを使用することを成文化すると、「トランスジェンダー女性に紛れた性犯罪者」が女子トイレで良からぬことをするんだ…

「地方」って、どこ?

ひきポスで「ひきこもりと地方」という続き物の企画が掲載されていて、気になった。「地方」って、いったい何なのか。名古屋が「地方」にくくられているのを見ると、おそらく東京と対比した地方って意味なのだろう。 わたしは、この対比のしかたに少しばかり…

マジョリティが気にも留めない「自動ドア」

「差別はたいてい悪意のない人がする」(キム・ジヘ著、尹怡景訳、大月書店)刊行記念イベントに参加した。その時の様子は、大月書店のアカウントで一部が紹介されている。その中からふたつ。上智大学の出口真紀子さんの発言を紹介したもの。 出口さん「マジ…

他人が尊厳ある存在であることを見失うとき~「彼女は頭が悪いから」読了

「ハニトラ」か?「犯罪被害の届出」か?の途方もない断絶 「正義」はいくつもある? 他人が尊厳ある存在であることを見失うとき 「被害者」が通う大学の教授が示した「道筋」 「ハニトラ」か?「犯罪被害の届出」か?の途方もない断絶 夏前から読み進めては…

関西クィア映画祭の「コロナ禍における関西クィア映画祭について(声明)」が秀逸

まあ、まず読んでくださいな。わたしがあれこれ書くよりもよっぽど早いですから。そうだそうだ、と、わたしは何度も何度も膝を叩いた。 kansai-qff.org この文章の中でも、わたしは2点に絞って書く。「ハウスは必ずしもホームではない」ことと、「何が必要…

分類に迷う

何のカテゴリー分けもせずに、ダーッと記事を並べているこのブログ。見にくいのは事実なので、カテゴリー分けをしようと考えた。が、どう分類するか。結構迷う。今のところ、「やりやすいところ」からカテゴリー分けをしている。

大学は"コンテンツ"じゃない

はてブに書くには長すぎるのでこっちに。ここのところの大学のオンライン化には、少なからず違和感を覚える。大学ってWeb配信できる"コンテンツ"だったっけ?と。大学って、学生が自律的に学ぶ"場"だったのでは?Web配信で、今までの大学が作り出していた自…

石を投げるのはいいが

メンタリストを名乗る著名人の暴言に対して、わたしの目に入る範囲でも異議を唱える人は多い。それらの異議はもっともなもので、その異議自体にわたしは異を唱えるつもりはない。 とはいえ、声を大きくしてメンタリストに異を唱えている人が、別のところで別…

気候危機の影響に直面する

2019年10月のある夜。わたしが住んでいる地域にも大きな台風が接近していた。埼玉県内でもたくさんの川で氾濫危険水位を超えた。その様子を見ていて、わたしは切実に恐れおののいていた。気候危機の影響がついにここまで来たか、とも。しかし、台風が去って…

IORIの終わり~「幻」を信じられた「幸福」な時代が終わった

過去何度か書いてきた、「IORI」と言うイベントが、この8月の開催で定期開催を終了した。とにもかくにも10年続けてこられたのは本当に幸いなことであったと思う(皮肉ではないですよ)。どんな意見もフラットに話すことができる、どんな人も受け入れる場を…

社会保障と会社保障

このツイートである。 医師であることや職域接種の対象であったという理由だけで、ワクチン接種優先だった人たちが、必死にその不公平なやり方を正当化するのは、見苦しく思う社会の中でどのようにして公平に、医学的弱者から順番に先に助けられるかという発…

学校が労働搾取企業に耐える労働者を作り、労働搾取企業がはびこり、みんな貧しくなった

日本の「おもてなし」を誇っている人のブログ。この人によれば、日本のサービス業が手厚い「おもてなし」をするのは学校がそういう人材を育てたからだとのこと。 air.ap.teacup.com その、学校での教育が何をもたらすか。高い道徳性とやらを発揮して、低い賃…

オリンピックがどういうものなのかよくわかる記事二本

賛否は見事に分かれていても、オリンピックがどういうものかに関する意見については見事に一致している記事二本を紹介。この手のものははてブにするのがお定まりなんだろうけど、はてブにするには長すぎるので。 anti-olympics.jugem.jp air.ap.teacup.com …

限定公開にしてるのを公開しちゃうのはどうかと思いますよ、ぼそっとさん。

どうせ聞く耳もたないだろうからザルに水だとは思うんだけど、限定公開にしているFacebookの投稿を大っぴらに公開するのはどうかと思いますよ。わたしの書き込みとしてさらされてるのが限定公開のFacebook投稿なんですよね。まあ、非公開の私信を暴くのも「…

「人格」を操作する恐ろしさ

NHKスペシャル「2030 未来への分岐点 (5) AI戦争 果てなき恐怖」を見終えた。AIが人間の思考さえも自由自在に操作することができる未来。そんな世界が、もうすぐそこまで来てしまっている。わたしは、そのような未来は来てほしくない。他人の意思を自由自在…

通信制高校が「手厚いサポート」「多様な教育」を謳っているのはおかしくない?

「僕は僕でよかったんだ」(奥地圭子・矢倉久泰著、東京シューレ編、東京シューレ出版)を以前読んだ。その時引っかかってて、今も引っかかってる部分がある。その本に、東京シューレ発足以降発刊までの教育の歴史に触れた部分がある。その中に、通信制の枠…

「ひきこもり当事者を里山の「歩哨」にマッチング」と「ひきこもり男性にひきこもり女性を性的パートナーにマッチング」それぞれの意見への反応の違いに潜むジェンダー不平等

昨年秋、内田樹さんが、ひきこもり当事者に過疎地の里山での仕事を「マッチング」することによって里山の荒廃を防ごうなんて意見を述べていた*1。当然のことながら、この意見はひきこもり当事者の間ではたいそう評判が悪かった。賛同の意を表したひきこもり…

通信制高校って、「そういうもの」でしょう。

ダイヤモンド・オンラインがN高等学校の実情について報道した。この記事。 diamond.jp これに対し、角川ドワンゴ学園側も反論している。 nnn.ed.jp わたしは、角川ドワンゴ学園の言い分はもっともだと感じた。特に、角川ドワンゴ学園のリリースの次のような…

東京の高校定員は男女不均等である。

毎日新聞がスクープした。 mainichi.jp これはこれで問題なのだが、その背後にあるのは、東京都内の高校の定員が男女不均等であることなのだ。東京都生活文化局のリリース。 www.metro.tokyo.lg.jp 東京都内の私立高校の募集定員(2021年入学者)は、女子校…