ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ときどき出てくる「ウチとソト」

「ウチとソト」での区別、ときどき現れる。「ウチ」には寛大なのに、「ソト」には冷酷。いくつかの例を書く。 ベビーカーを使う人にやたら冷たい。タクシーを利用したらよいとか、マイカーを使えばよいとか、とりあえずベビーカーを使う人が電車やバスを利用…

「ベビーカーでバス利用」が、自分ごとならば

https://twitter.com/nhk_news/status/1206331107441954816 NHKのこのツイートに、さまざまな意見が寄せられている。大半は一理ある意見だけど、素直にうなづけない意見もある。 「ベビーカーでバスを利用するな。タクシーか自家用車を使用しろ」とする趣…

上西充子「呪いの言葉の解きかた」を読んだ〈ちょいちょい訂正してます〉

横浜に行く用事があって、行き帰りの電車の中で一気に読んだ。 iss.ndl.go.jp 「呪いの言葉」が、いかに自分たちを縛っているか、いかに自分たちを不自由にしているか、わかりやすく書かれている。最初は「労働」「政治」。後の方になるに従って、自分たちの…

より悪い状態と比べて、「それよりはよくなったんだからいいでしょ」って言う謎の理屈

実例 ・子どもを虐待している親が、「テレビで報道されているような子どもを死なせる虐待をしてないんだから文句言うな」 ・生活保護を利用している人に対して「途上国の人よりは生活水準うえなんだから文句言うな」 ・沖縄の基地負担を訴える人に対して「か…

ベビーカーは邪魔かもしれない。でも、邪魔なのはお互い様

ときどき、土曜の夕方に渋谷に出かける。渋谷から井の頭線に乗って世田谷区内のとある駅に向かうのだが、渋谷も井の頭線もかなり混んでる。そのせいなのかはわからないが、運賃はとても安い。こういう混んでいる電車にベビーカーを乗せたら、邪魔者扱いされ…

「みんな同じ」をやめれば、制服はいらない

「ファッションセンスの差や貧富の差を隠せるから、学校の制服は必要」とはよく聞かれる。だけど、それは違うよ、というお話。 貧富の差は、それ自体が必ずしも容認されることではない。適切な再分配政策が必要。というそもそも論はある。ただ、それを学校に…

障害はまだら模様。医学は正しく診断できない。

今の日本では、医師の診断書を行政が審査して、認定されると障害者手帳が交付されて、障害者としてのサービスを受けることができる。何かしら病名がついてないといけない。だけど、医学は障害を正しく診断できない。 たとえば、「統合失調症」と診断された人…

えーっ、春日部市の図書館資料費が減ってる!

埼玉県立図書館の図書館協力車を、所沢・越谷・春日部には週2回巡回させるようになった。所沢・越谷はわかる。なんで草加ではなく春日部なんだろうと春日部市立図書館の図書館要覧をめくってみる。他の市町村からの借り受けは確かに草加より春日部の方が多…

「多様な学び」ではなく「多様で平等な居場所」を

「多様な学び」、字面はいい。その子どもに合った多様な学びの場が選べるのは、よいことに見える。だが、それは「身の丈に合った教育」と、例の文部科学大臣の発言を容認しかねない危険なものでもある。 では、みんなが学校に通うようにしましょう、学校に通…

「ベビーカーでバスに乗せるくらいなら、クルマ買え」と言ったその先に

こんな未来にはなってほしくない、という未来像を書いてみました。若干の誇張はありますが、「バスなど利用せずにクルマを利用したらよい」と言っている人たちの言うとおりにしたその先に待っているだろう出来事です。 Twitterで「双子用ベビーカーでバスに…

「みんな」が利用できるはずの公共交通から「だれか」をのけ者にした先に

つい最近、Twitterで、双子用ベビーカーでバスに乗車しようとした方が、「たたまないとダメ」と、実質的に乗車できなかったという話が話題になった。なんかもやもやする。バスや電車などの公共交通機関は、「みんな」が利用できて初めて存在意義がある。「だ…

私たちは「買われた」展を見て、改めて読み直した子どもの権利条約と子ども売春・人身売買・子どもポルノに関する選択議定書の前文

私たちは「買われた」展を見てきた。クローズドな展覧会なので、その細かな内容を詳しく書くことはできない。その代わり、子どもの権利に関する二つの重要文書に語ってもらう。 まずは、子どもの権利条約前文から。 児童に対して特別な保護を与えることの必…

「歩くまち」「自動車で移動するまち」

今日、ひき桜に参加してきた。参加する前に、放送ライブラリーに立ち寄ったものだから、東急線みなとみらいパスを利用した。会場の青少年センターまでは、みなとみらい駅から歩いた。歩いてて、横浜とはこんなに歩く人が多い街なんだと改めて驚いた。みなと…

会社からこぼれ落ち、社会からもこぼれ落ちた人々を府中刑務所に見た

今日、府中刑務所文化祭に行ってきた。府中刑務所の現況や再犯防止施策を紹介するパネル展示もあって、強い関心を持って見た。 府中刑務所にも高齢化の波が確実に押し寄せていて、受刑者に対する高齢者の割合は上がりつつある。最近の統計だともう20%に届こ…

杉並区は集会施設を「特定の区民の生活を快適にする施設」と考えているらしい。あれ?あれれ?

広報すぎなみの記事 先月1日号の「広報すぎなみ」に、区立施設の使用料見直しについての意見募集の記事があった。その記事によると、杉並区は集会施設を「特定の区民の生活を快適にする施設」と考えている。これに対して、児童館などは「多くの区民にとって…

あ、その町内会の祭り、不要なんで

自治会の祭りって? 今月号の「広報かすかべ」、冒頭の記事は自治会に入ろうというものだった。その中で気になった記述が。 Q どうして自治会でお祭りや行事をするの?A 地域でしか子どもたちに体験させられないものだからです。 親は家庭の中で誕生会や、旅…

ブラック校則を肯定していた人が、神戸市立小学校いじめ被害者に「人権を主張しなかったのが悪い」と言う愚

はい、とあるブログのこの記事をご覧あれ。 https://air.ap.teacup.com/supert/2947.html 「端的に言うと、学校は「将来のその子の人権を十全に守りたいという理由で、目の前のその子の人権を制限することにほとんど抵抗感のないところ」なのです」と、学校…

「自衛」を求められるのは、いつも立場の弱い側

Twitterで、プリクラコーナーを覗き込む男の動画が拡散された。それに対して、毎度毎度のことだけど、「覗き込まれたくなければスカート履かないなど自衛しろ」という意見が見られた。またか。いやだなあ。いやだなあ。犯罪者のご機嫌取りをしろと言われてい…

「飼い慣らす必要がある」と言われた世代が、「キレる高齢者」を見て

平成30年版犯罪白書に、こんな記述があった。 http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/65/nfm/mokuji.html 平成28年に東京地方検察庁本庁及び東京区検察庁で傷害・暴行により受理され,第一審で有罪の裁判を受けた者を対象とする特別調査の結果によれば,高齢者では,…

みんなが困りごとを持ち寄り、みんなで解決して、だれかの困りごとを切り捨てないこと

「政治」。この、なんとなく堅苦しく、なんとなく近づきにくい響き。 ここ数回、政治的な話を少し書いてきた。そんな中で、いちばん伝えたいのは、このnoteのタイトルに書いたこと。 みんなが困りごと、あるいは願いを持ち寄る。その困り事や願いを、どう解…

懲りない面々

最近、ふと思い立って、何件か裁判傍聴をした。全部道交法違反の事件。道交法違反、たいていは反則金か略式命令で終わっちゃう。だから、わざわざ公判請求されるのは飲酒運転して捕まっても懲りない面々。傍聴していると、はぁーとため息をつきたくなるくら…

「政府のいいなりになる子ども」を育てる「教育再生」~「掃除で心は磨けるのか」感想

引き続き、この本を読んだ感想。 https://www.amazon.co.jp/dp/4480016805 著者の杉原さんが、「これ、おかしいぞ」と感じた「教育再生」への取り組みが紹介されていく。そうして、それらの取り組みがめざしているものが像を結ぶ。以下引用。 規律正しい子ど…

「外国人」「若者」への憎悪を正当化する「道徳教育」

この本を一気に読んだ。 https://amazon.co.jp/dp/4480016805 道徳教科書の検定で、「パン屋」を「和菓子屋」に変更、「しょうぼうだんのおじさん」は「感謝の扱いが不適切」として「しょうぼうだんのおじいさん」に変更。そんな事例が紹介されていた。「我…

東武沿線にはなにもない…ように見えるけど

埼玉県内のひきこもり当事者会、あるいはそれに近い「居場所」がどこにあるか、頭に思い浮かべていた。 東松山にQueer Lounge H、朝霞台にCVNと、これは東武東上線。 せんげん台にほっとりんご、宮代町に我らが月曜茶話会。これは東武スカイツリーライン。 …

ひきこもり当事者の居場所という「コモンズ」の維持費

http://sokudokuhikky.blog103.fc2.com/blog-entry-2817.html ひきこもり当事者の居場所や当事者会を開くにも、有形無形のさまざまなコストがかかっている。労力を割いている人に、その労力に見合った報酬を払わなければとの冒頭の記事の問題意識はなんとな…

台東区ならやりかねない、と思った

台東区がやった避難所からのホームレスの方の閉め出し。台東区ならやりかねないと思った。 台東区には、区立忍岡中学校というブラック校則だらけの中学校がある。そういう学校に区教委は何も言わない。そんなのを見てたら、台東区はどうやら人権とかそういう…

台東区のホームレス

台東区がホームレスの方を避難所に入れなかったという。台東区は山谷地域というホームレスの方が多く集まる地域を抱えている。なのに災害時にホームレスの方をどう避難所に受け入れるかを考えていなかったのだろう。これって、はっきり言って怠慢じゃない? …

全日制では「禁止!」定時制では「推奨します」

アルバイトの話。全日制高校だと、結構禁止していたりする。授業料の免除を受けるくらいの経済状態でないとダメとか。 不思議なことに、これが定時制高校だと一変する。むしろアルバイトを含めた就労を推奨している。同じ高校なのに。なんなんだこれは。 も…

定時制も通信制も、全日制と同じ「高校」のはずだけど

どういうわけか、特別なニーズがある高校生は、定時制や通信制への道を勝手に敷かれる。「この程度の校則も守れないようなら、定時制や通信制に行った方がよい」と、口コミサイトで書いている人はたくさんいる。 定時制や通信制も、全日制と同じ「高校」。だ…

校則(に限らず世の中のルールすべて)は単なる妥協の産物

学校の校則なるものがどういうものなのか、大変よくわかる体験をつい最近埼玉県の県立高校生はしたはずである。 もう、本当に去年までは、「高校生活にバイクは不要」という方針のもと、バイクの運転免許を取ろうものなら謹慎にされて反省文を書かされていた…