埼玉県立図書館の図書館協力車を、所沢・越谷・春日部には週2回巡回させるようになった。所沢・越谷はわかる。なんで草加ではなく春日部なんだろうと春日部市立図書館の図書館要覧をめくってみる。他の市町村からの借り受けは確かに草加より春日部の方が多かった。ほかのページも見ると、なんと!資料費(図書館の本や雑誌などを買う費用)がここ数年間で1,000万円以上も減っていた!ただでさえ少ない予算を、さらに削っていた。
どこも財政は厳しいし、春日部市なんて人口減少で厳しい局面にあるのだから仕方ないか…と思って春日部市の「平成31年度当初予算の概要」を見ると、自治振興費なる費用が248万円ほど前年度より増加。新たに自治会カードを導入するとか。この「自治会カード」、春日部市自治会連合会に加盟している自治会の会員世帯に配布され、市内の商店などで特典を受けられる。そんなことのために使う予算があったら、図書館資料費に回してほしいなあ。
自治会は任意団体。入るも入らないも任意。ある自治会が春日部市自治会連合会に加入するかどうかも、もちろん任意。春日部市自治会連合会加盟の自治会に加入することを誘導するために、市の予算を使うのがいいこととは思えない。春日部市が自治会に関して押し付けがましいのは、この間も書いた。
https://note.com/syou_hirahira/n/n513f1eda56df
春日部市は、広報で「遠くから聞こえてくる盆踊りの音や、友達と一緒に屋台に並ぶワクワク感」を「いいもの」として、それを子どもたちに感じさせるためにも自治会が必要なんだと押し付けがましいことを書いていた。「自治」なのに、なんで市役所にそんなこと決められなければいけないんだろう。しかも、市役所が「いいもの」と勝手に決めた催しを開催する自治会への加入を誘導するために予算まで割いた。
そんな予算はあるのに、子どもたちも含む多くの市民が自主的に、しかも自由に学習するための図書館資料費は削減されっぱなし。
自分はここに、春日部市の考え方がなんとなく見えた気がする。「市民が自発的かつ自由に活動するのではなく、市役所が決めた「いいもの」のために活動しなさい」という考えを。手短に言えば、「自主から上意下達へのシフト」だ。