ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

「歩くまち」「自動車で移動するまち」

 今日、ひき桜に参加してきた。参加する前に、放送ライブラリーに立ち寄ったものだから、東急線みなとみらいパスを利用した。会場の青少年センターまでは、みなとみらい駅から歩いた。歩いてて、横浜とはこんなに歩く人が多い街なんだと改めて驚いた。みなとみらいは何度か歩いていて、そのたびたくさんの歩行者は目にしているのだから、いちいち驚く必要もないんだけど、今日は違った。行きの電車の中で、この本を読んでいたからだ。 

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 その中でも、特に第7章「不在の場所 春日部にみる「町」と「道」のつながり/つながらなさ」を読んで、改めてみなとみらいを歩く人の多さに驚いたのだ。

 その章の中で、国道16号線沿いにモールが点在し、モールとモールの間は空漠な空間が広がるものとして国道16号線が描かれていた。春日部市周辺ではそのような風景が実際に広がっている。あちこちに点在する各種施設に、自動車で移動することが前提になっている。実際、この章の筆者が実際に春日部市周辺の国道16号線を歩いてみたが、なんと歩道が工事中で通行止めになっていた。

 あちこちに点在する施設を、自動車という閉ざされた箱で移動している人たちは、点と点を移動しているだけで、であるから、そういう場所では街が生まれるはずもない。確かに、「モール」は存在する。だけど、それは、周りから孤立した大きい箱でしかない。

 ここで改めて今日のみなとみらいを振り返る。歩いていると、大道芸はあり、高校のブラスバンドの演奏はあり、「歩く人」を相手にさまざまな催しが開かれていた。国道16号線の沿道でどこかの高校のブラスバンドが演奏しても、耳を傾ける人は多くはないだろう。

 これがつまり歩く街と車で移動する街の違いというものだ。歩く街は、歩く人を相手に、道沿いにさまざまな店ができ、施設ができる。それも歩ける範囲に集まっている。そういう街は、当然ながら歩く人も多い。歩く人が多ければ、そこに演奏会は開かれ、交流が生まれる。そういう街を、自分はとても面白いと思う。あちこちに点在するモールや施設の間を、自動車で移動する街にはない面白さだ。自分が住む街も、歩く人が多い街になればよいのにと願うのであった。

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写真は、紅葉坂付近の国道16号線。歩く人が多い。