ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

「飼い慣らす必要がある」と言われた世代が、「キレる高齢者」を見て

平成30年版犯罪白書に、こんな記述があった。

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/65/nfm/mokuji.html

平成28年東京地方検察庁本庁及び東京区検察庁で傷害・暴行により受理され,第一審で有罪の裁判を受けた者を対象とする特別調査の結果によれば,高齢者では,その場の怒りに駆られ計画性なく犯行に及んだ者の割合が高く,凶器使用も少ないなど,衝動的に暴力に及ぶ様子が見られ,非高齢者と比べ,高齢者又は児童の被害者がいる者の割合も高く,弱い相手に感情の赴くまま手をあげている傾向がうかがえる。

要するに、自分よりも弱い相手に見境もなく手を出していると、犯罪白書は指摘している。「キレる高齢者」そのまま。

そこで思い出す、教育改革国民会議。「キレる17歳」が大問題になったころに設置されていた。第一分科会(人間性)に所属していた委員の発言がふるっていた。

「子どもを厳しく「飼い馴らす」必要があることを国民にアピールして覚悟してもらう」「「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う」「遠足でバスを使わせない、お寺で3~5時間座らせる等の「我慢の教育」をする」「簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働をする」「警察OBを学校に常駐させる」など、今聞いたら結構驚くような発言が平然とされ、しかもそれが首相官邸のサイトに残っている。

https://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/1bunkakai/dai4/1-4siryou1.html

ところで、あの頃、「子どもを厳しく「飼い慣らす」必要がある」などと言っていらっしゃった委員のセンセイはすでに高齢者世代。その当時、この手の発言に溜飲を下げていた人たちも、高齢者世代。今、その高齢者世代が見境もなく弱者に手を出す「キレる高齢者」と化している。あの頃、飼い慣らすべきとさんざん言われた世代に属しているので、ものすごく複雑な心境を抱いてしまう。今の高齢者犯罪の現状に対して「高齢者を厳しく「飼い慣らす」必要がある」なんてことは絶対に言われないのに、当時の子どもに対しては平気でそんなことが言われた。年少者はいつも虐げられるなあ。