あの発言から、大量虐殺を連想したのはわたしの過剰な連想だったのかもしれない。そうではないのかもしれない。
だけど、大量虐殺を連想しなくていいのは幸せだなあとは思う。
亡くなった祖父が、生前、戦争で行った南方の島で何をやってたか話していたという。とても残虐な行為で、平時なら間違いなく重罰を受けていただろう行為だ。ところが、何の懲罰も受けることはなかった。
そんな祖父も、戦後は善良な市民として東京で暮らし、時々孫(わたしだああ)を呼び寄せては遊んでいたりした。
人間が人間でなくなることは、そんなに難しいことではない。そのことに直面せずに暮らすことができている人は、本当に幸せだと思う。