わたしの死んだじーさんは、アジア・太平洋戦争で南方に出征した。出征した南方の島で、数々の残虐行為を行い、しかし何の裁きも受けずに復員した。そのじーさんは、わたしにとっては良き祖父であった。良き市民でもあった。そんな人が、残虐行為に及んだ。
アジア・太平洋戦争で、日本は明白に「加害者」であった。おそらく、わたしは、「加害者」であった兵士と直に接した最後の世代なのであろう。良き祖父だったじーさんが「加害者」であった記憶があるかないかが、昨今のあれこれに対するわたしの反応に出ている気がする。更年期だなんだと口さがない人は言うけれど。
「加害者としての日本」を感覚として知っているわたしは、「被害者としての日本」を強調した下の記事に、どうしても、ちょっと、ちょっと待ってくださいよと言いたい気持ちにはなる。