ふらふら、ふらふら

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「表現の不自由展」を襲ったいくつもの暴力

ついに、文化庁が「表現の不自由展」への補助金を引き上げるとのこと。自分は、そのニュースを聞いて、ものすごく不快感を覚えた。暴力そのものだと感じたから。この際なので、「表現の不自由展」にどういう暴力が行われたか、振り返る。

まずは、言うまでもなく脅迫電話の数々。「お前のやることなすこと気にくわないから実力で潰すぞ」と言うのは、力づくで他人をほしいままにしようとする暴力。

続いて、そのような脅迫を受けて中止したことを理由に補助金を引き上げようとしている文化庁。暴力を受けたことを「落ち度」として、被害者を責め立てている。京都アニメーションへの同情的な政策と好対照をなしている。

最後に、文化庁補助金を引き上げようとしているとのニュースに対して「こんな展示に税金使うな」との反応。これ、子どもやパートナーに「誰の金で食わせてもらってるんだ」と、経済力で他人をほしいままに支配する暴力。虐待加害者はよく「自分の金で食わせてやってるのに、歯向かうんじゃない」などと言う。挙句の果てに「そんなに嫌ならこの家から出ていけ」などと言う。そうして、経済力でどもやパートナーをほしいままに支配する。日頃から子どもやパートナーを支配し続けて来ていて、自分のほしいままにするのが当たり前だと思っていて、自分の思い通りにならないときに子どもやパートナーを殺害した人が時々ニュースになるけど。ニュースになる前に、圧倒的な支配が存在している。今回、政府の意に添わない展示をするなら自費でやれと言っている人たちは、全員子どもやパートナーをほしいままに支配する人と同じことをやっている。

と、少なくとも3つの暴力が存在した。

あの展覧会が気にいらないならそれはそれでいい。なぜ、渾身の力を振り絞ってペンに訴えようとしないのか。なぜ暴力に及ぶのか。ことここに至った以上、正当な言論の域を超えた暴力が行われたと言わなければならない。