ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

九段にある限り、「ヤスクニ」の呪縛からは逃れられない

 今日行ったもういくつかの場所。千鳥ヶ淵戦没者墓苑、しょうけい館、昭和館。これらいずれも、地下鉄九段下駅から徒歩圏内にある。靖国神社から徒歩圏内にあるとも言い換えられる。九段下駅から地上に上がると、保守系の各種団体の署名活動、チラシ配り、街宣活動と、大変に騒々しかった。九段下交差点周辺は、警視庁が厳重に警戒している。そのような中、しょうけい館と昭和館を見学。そののちに、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝。歩いていれば、靖国神社に集う保守系団体(右翼団体と言ってもよかろう)が生み出す喧騒が耳に入ってくる。

 いくら、靖国とは別の場所に、無宗教の慰霊施設を設けたと言っても、あの土地にあったら、「靖国」の呪縛からは絶対に逃れられない。いやでも、「靖国」の存在を意識する。あの土地で先の大戦戦没者を慰霊しようとすることそのものが、「靖国」に力を与えてしまうことになる。それは、先の大戦の戦争責任をぼやかす。平和日本にふさわしい、先の大戦の犠牲者の慰霊の場を、あの土地の外に求められないものか。つくづく惜しいのは、せっかく埼玉県が越生の地を提案したものを、郊外であるなどとして採用しなかった。越生の地を慰霊の地にしていれば、戦争責任への向き合い方も、変わったかもしれない。