ふらふら、ふらふら

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通信制高校に、「手厚いサポート」をする資源はない「はず」。

 NHK学園が決算についてWebに公開しているのを発見した。*1

 そこで、全日制課程のみを置く都内の高校で決算報告を出している学校を探して、専修大学附属高校のものを見つけた。*2

 両校の決算を比べると、通信制高校がいかに限られた財源で教育活動を行っているかが見えてきた。NHK学園高等学校の年間収入は、およそ18億円(2021年度)。一方、専修大学附属高校の年間収入がおよそ13億円(2020年度)。2021年の生徒数は、NHK学園高校が3,568名(NHK学園の決算資料)、専修大学附属高校が1,304名(「日本の学校」による)。NHK学園は、専修大学附属高校の2.7倍の生徒数を抱えている。ところが、収入額は、NHK学園の年間収入のほうが多いとはいえ、専修大学附属高校の年間収入と5億円ほどの差である。専修大学附属高校の年間収入の2.7倍もの収入があるわけではない。しかも、NHK学園の収入には、NHKからの寄付金5億円が入っている。そのような寄付金が見込める通信制高校はそうそうないだろう。

 収入だけを見れば、通信制高校が、全日制課程の高校よりも手厚いサポートをするだけの資源はない「はず」。それでも、全日制課程の高校よりも手厚いサポートをしているとするならば、学費を高く設定しているか、どこかで無理をしているか、法人内で内部補助をしているか。法人内で内部補助をして手厚いサポートを実現している学校には本当に頭が下がる。

 なお、全日制高校の代表として専修大学附属高校を選んだのには他意はない。決算情報が容易に検索でひっかかってきた、東京都内の全日制高校であるため選んだ。NHK学園高校は、オーソドックスな広域通信制高校であることから選んだ。NHK学園の数字は、おそらく、全国の通信制高校の状況を代表しているような数字であろうと予想した。*3

*1:事業報告_決算概要|学校法人NHK学園について|NHK学園

*2:情報公開 | 専修大学附属高等学校

*3:こんなまどろっこしいことしなくても、「地方教育費調査」の、在学者一人当たりの教育費のデータを使えばよかった気もする。