ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

今こそ多極分散で「土地に縛られない経済」を

和田耕治先生が、下の記事で、「中長期的に厳しい状況が続きますが、前向きに、新しい世界に慣れるための準備をしていきましょう。 」と書いてあるのを読んで、それなりにカチンと来た。来たんだけど、多極分散とか全国同一賃金とか職種別ギルドとかとパッケージで考えれば、そんなに悪くないかもと思った。

https://note.stopcovid19.jp/n/naaba14421d1d

オンライン会議ツールの便利さはすでに使っているのである程度わかっている。これ、ビジネスユースにはめちゃくちゃ使える。これまで官庁や他の企業とのやり取りのために無理して東京にオフィスを置いていた企業が、東京に本社を置く必要がなくなるくらいには。

そうすると、やっぱり企業の本社が全国あちこちの都市に分散してほしいと思うわけですよ。これは個人的な感覚なんだけど、やっぱり東京は大きすぎる。かといって高岡は小さすぎる。金沢くらいがなんかちょうどいい。札幌クラスの都市がいくつかあっても悪くない。そういう都市間をネットワークで結んで(物流とか通信とか)、上京しなくても仕事できるような社会になるといいなと思った。

それには、全国同一賃金とか、職種別ギルドとかが必要。同じ職種なら全国どこでも同じ賃金、全国どこに行っても同じ職種の仕事があるとか。医療・福祉職はそれに近いところがある。全国どこででも同じ仕事がある。

日本では、単身赴任とか人事異動とかわたしからしたら妙な風習がまかり通っている。「どこで」「何を」するのか、一番重要な部分が雇用契約で限定されてない。これを限定する。事務職に就職して、事務職のギルドに入ったら、全国どこに転居しても、どこの企業でも同じ事務職として働けるとか、そういう社会。そのためには全国にまんべんなく企業が立地していることが必要で、そのための多極分散。

多極分散にはもうひとつ、多くの国民に都市化の恩恵をもたらすという、平等というメリットがある。今は東京都とそれ以外で大きな格差があって、だから東京都内にはたくさんの人が集まって来ていて、住宅費も高いので低所得者は大変。それでも東京にしかないものがいっぱいあるから東京にしがみつかないといけない。東京以外の都市でも、東京と同じように暮らせるとなれば、東京にしがみつかなくていいし、東京に集まってくる人たちの数がそもそも減る。悪いことではない。

さらに、この都市が嫌だと思ったときに、他の都市に移住するのが容易な社会でありたい。多極分散+職種別ギルドが確立していれば、移住先でも同じ職種の仕事に就くことは難しいことではなくなる。

仕事だけが多極分散してももちろんダメで、文化的なあれこれも多極分散した方がいい。東京だけでなく、全国あちこちにミニシアターを。埼玉県東部だと、以前は草加草加ミニシアターを楽しむ会があったと聞いているが、今も存在しているかはわからない。ミニシアター的文化の芽は埼玉県東部にもあって、その芽が大きくなるといいなと思う。東中野とか新宿に行かなくてもミニシアター的文化に触れられるのはいい。

東京にも、生まれた都市にも縛られず、自由に住む場所を選べる社会。親の近くで暮らしたいのに、泣く泣く上京するとか、そんなことがなくなる社会。悪くない。

たとえCOVID-19のパンデミックがなかったとしても、東京一極集中は是正しなければいけなかった。なぜなら、首都直下地震という差し迫った脅威があるから。東京にすべてを集めていると、すべてが壊れてしまう。その点からも、東京一極集中は変えた方がよい。昨年末に「パラレル東京」(NHK)を見て以来、ずっと考えていること。今の形の東京は、遅かれ早かれ確実に終わりを迎える。だからこそ、多極分散が必要。

そして、そこまでパッケージにすると、「国内・国外の長距離の移動についても、当面は「できるだけ行かない」」ことを、「前向きに」とらえて、「新しい世界に慣れるための準備」ができる(冒頭、和田耕治先生の記事より)。