ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

国勢調査のデータによれば、「ひきこもり」当事者の数に男女差がないことが示唆された

 ふと気になって、2015年国勢調査のデータを調べていた。未婚で、非労働力人口とカウントされる人のデータだ。なんでそんなものを調べてたかと言えば、「ひきこもり」あるいはそれに類似した生活のしづらさを抱えている人の数をある程度まで反映しているのではないかと考えたため。全員が全員「ひきこもり」やそれに類似した生活のしづらさを抱えた人とは考えていないが、男女比を推定するのには使えるだろう。

 数値は、下の表にまとめた。40代以降、未婚で通学者以外である非労働力人口は男性の方が多くなるが、それでも、男女の数の差は「ひきこもり社交界」で見かける男女差よりは圧倒的に少ない。

 これが何を意味するか。既存の「ひきこもり」当事者の居場所が、男性以外を排除している可能性があることを示している。なぜ女性がやって来れないのか、ひきこもりUX会議はいくつかの理由を報告している。女性がやって来れない現象の存在自体はひきこもりUX会議が報告していたが、そのような女性のボリュームがどれくらいなのかはなかなか知ることが難しい。今回、国勢調査のデータを使って垣間見ることを試みた。

 その結果、男性ひきこもり当事者と同じくらいのボリュームで、ひきこもりのような生活のしづらさを抱える女性がいることが推測される。女性が参加しにくいひきこもり当事者活動の現状を改善する必要がある。そのことはわかっているが、ではどうやって?と、方法論はわたしにもなかなか考えつかない。

 各地で開かれている「女子会」はひとつの解決策ではあるが、「女子会」を設定することそれ自体がひきこもり当事者活動から女性を排除している現状を放置することになりはしないかとの危惧はある。そのような危惧はあれど、今のところ、「女子会」以上に有効な方法論が見つからないのも事実。さて、どうしよう。

  男性 女性
年齢 労働力人口 うち通学者 通学者以外の非労働力人口 労働力人口 うち通学者 通学者以外の非労働力人口
15~19歳 2417923 2361562 56361 2310563 2255855 54708
20~24歳 814066 742186 71880 698084 609675 88409
25~29歳 143101 68854 74247 136890 40848 96042
30~34歳 93585 14239 79346 100470 9889 90581
35~39歳 95014 5344 89670 94576 4262 90314
40~44歳 112620 2869 109751 106722 2337 104385
45~49歳 104910 1421 103489 94612 1176 93436
50~54歳 100926 771 100155 82122 536 81586
55~59歳 112082 425 111657 77374 237 77137
60~64歳 202957 293 202664 119660 201 119459
65~69歳 244791 221 244570 166563 250 166313
70~74歳 132864 161 132703 132882 161 132721
75~79歳 68962 109 68853 109492 111 109381
80~84歳 32234 217 32017 97980 189 97791
85歳以上 14559 37 14522 108929 30 108899