以前、このような記事を書いた。
スペシャルスクールに通わせないことを「教育虐待」と呼ぶことに異を唱えた。そのあと、「スペシャルスクール」に通っている子どもの数がこの25年でどれだけ伸びたか、ちょっと調べた。その数値は下の表。
中学校等 | 特別支援学校等中等部 | |
---|---|---|
1995年 | 4,570,390 | 20,629 |
2020年 | 3,244,958 | 30,649 |
この数値の出どころは、文部科学省「学校基本調査」。「中学校等」には、中学校のほか、中等教育学校の前期課程、義務教育学校の7学年から9学年の生徒が含まれている。一方、「特別支援学校等」には、特別支援学校のほかに、盲学校、ろう学校、養護学校の中等部の生徒が含まれている。
中学校の生徒はこの25年で100万人以上減った中、スペシャルスクールの生徒数はこの25年で10,000人以上増えた。これが何を意味しているか。障害を持つ子どもの数が増えた?そんなに数が増えるとも考えにくい。考えられるのは、1995年にはスペシャルスクールに入る必要がある障害とは考えられなかった状況にある子どもが、2020年にはスペシャルスクールに入る必要がある状況と判断されるようになったことである。平たく言えば、障害の定義が広がったってことだ。これはいいことなのか、悪いことなのか。
ひとつだけ。障害の定義がこんなに大きく変わるならば、どこからを「障害」とするかには一層慎重さが求められる。安易に、「スペシャルスクールに通わせないのは教育虐待」とレッテルを貼れるものではない。