ちょうど、小学校の入学式があった春の日のこと。小学校に入学したばかりの子どもと、その子の保護者らしき大人が横断歩道で会話をしていた。横断歩道の渡り方を教えているところだった。保護者らしき人は、子どもに、「横断歩道にはお酒を飲んだ人やおじいちゃんおばあちゃんが突っ込んでくることがあるから気を付けてね」と教えていた。
いうまでもなく、横断歩道は歩行者最優先。年端も行かない子どもをそこのけそこのけと車が突っ走る権利などない。まして飲酒して突っ走るなんてのは文字通り犯罪である。自動車運転者は、そして自動車依存社会は、年端も行かない子どもに、こんな「自衛」を強いている。クルマは走る凶器であるとはよく言ったものである。クルマを運転している人は、せめて、自分が、歩行者を殺しかねない凶器を動かしているとの自覚をしてほしい。