ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

文明は、人間の手に余るものになった

 ここ最近報じられている、回転寿司店でいたずらをしたひとのこと。いたずらをして、その様子を撮影した動画をSNSで公開して、多くの人がその動画を見た。いたずらをされた回転寿司チェーンの時価総額が百億円単位で下がった。

 わたしもその動画を見た。言っちゃ悪いが、まあ、ありふれたアホウのやってることだ。これくらいのことをするアホウは昔からいた(たぶん)。ところが、そんなアホウが、百億円単位のお金が動かすようになってしまった。やったひとは想像もしてなかっただろう。まさかそんな広範囲に影響するなんて。

 今の文明は、超巨大システムをつくっている。件の回転寿司チェーンも、インターネットも、巨大システムだ。回転寿司チェーンの客も含め、そこにかかわるひとすべてで、巨大システムを動かしていた。うまく動かしていけているように見えた。ところが、そうではなかった。軽はずみないたずらひとつでシステム全体に影響が及ぶ、とてももろいものだった。

 今回はたまたま軽はずみないたずらだったが、悪意ある人による攻撃も容易に行い得ることを示してしまった。莫大な設備投資もいらない。それだけもろいシステムだ。

 人間は必ずやらかす。故意か過失かの別はあれど。誰かが何かをやらかしたときに、システム全体に甚大な悪影響が及ぶ巨大システム。そんな巨大システムは、おそらく、人間の手に余る。

 最後に、わたしの身近での話をして締めることにする。Twitterにはスペース機能なる機能がある。「スペース」に参加したひとどうしで会話ができる機能だ。その機能を使って、ひとに聞かれたらまずい話を平気で話してきた。このスペース、クローズドではなく、全世界に公開されていた。悪意のある人が聞いたり録音したりすることもできた。もしかしたら、わたしたちの会話が誰かに聞かれ、録音がどこかに出回っているかもしれない。今のところその兆候はないけれど。そうならなかったのは、ひたすら偶然でしかない。そんなことも知らずに、閉ざされたものだと思って、ひとに聞かれたらまずいようなことを会話していた。巨大システムを使いこなせないのは、決してひとごとではない。わたしたちだって使いこなせていなかった。回転寿司店でいたずらをしたひととわたしたちに大きな違いはなく、ことによっちゃ、わたしたちが激しい炎上に巻き込まれていたかもしれない。