ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

命は数字で数えてはいけませんよ

 「自死するこどもの数よりも不登校からひきこもりになるこどもの数のほうが多い。こどもが自死することは考えなくていいから不登校からひきこもりに至ることを防止することを考えたほうが良い」との意見を、以前どこかで読んだ。現役教員か、教員経験者だったかは忘れたが、いずれにしても教員経験があるひとの意見だった記憶がある。

 これがどれだけ残酷な算数なのか。たとえてみよう。教員の過労をなくすために教員を増やすことによる財政負担と、過労で自死した教員に賠償金を払う財政負担とを比較して、後者のほうが財政負担は軽いから教員の過労は放置しましょう、過労自殺が起きたら都度賠償金を払えば済むだけの話ですみたいな、非常に冷酷なことを言っているわけですよ。

 命を数字で数えるのにあまりにも慣れてしまっているが、ひとつひとつの命に、そのひとならではのあれこれがあったんだよ。