ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

なぜ、通信制高校でなければならなかったのか

 わたしは中学校卒業後、進学も就職もしなかった。進学先も就職先も決まってなかった状態で中学校の卒業証書を取りに行った。その時、どこぞの通信制高校サポート校のパンフレットを渡された。学費は年間100万円以上もかかるところだった。当時の我が家の経済状態ではどうせ行けなかったのだから、パンフレットを渡されても渡されなくても変わらなかったとは思う。

 ただ、今になって疑問に思うのだけれども、なんで不登校となるとほとんど自動的に中学校卒業後の進学先が通信制高校とされてしまうのだろうか。派手に宣伝しているのは通信制高校ばかりだし、中学校の進路指導も通信制高校しか入れませんなんて言っちゃうケースがあるのだという(青木光惠「中学なんていらない」参照)。

 本人がいくつかの選択肢の中から進んで通信制高校を選択しているのならそれは結構なことである。問題は、中学校不登校なら通信制高校に自動的に進路を決めるというよく考えたらあまり理由が思いつかないようなことなのである。私はそこに「学校来てないんだから通信でいいでしょ」という悪意を感じてしまう。ほら、通信制高校なら公費負担も少なくて済むわけだし。

 文部科学省は今頃になって慌てて通信制高校を問題視しているのだけれども。全日制や定時制から蹴り出しておいて何をいまさらという気持ちはどうしてもある。全日制や定時制がけり出したからこそ、通信制高校が乏しい財源の中で何とか引き受けてきたと言うのが本当のところではないのか。そんな構図を無視して教育の質が低いとか言ってほしくないなあ。