ふらふら、ふらふら

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PTA未加入者の卒業記念品―「債務不履行リスク」を考えると。

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mainichi.jp まあ、いろいろギスギスしているなあ、せせこましいなあとは思った。PTAってのはその学校に通うこどもすべてのことを考える組織なんだから、保護者が非会員だからと区別することなく卒業記念品を贈与したらいいじゃないですか。PTA会費も贈与ならば、卒業記念品も贈与。なんなら、地域住民からの時宜にかなった贈与も受け入れるようにしておいてもいい。PTAを支えるのは贈与の束である。そういうことにしておいた方が何かと平和でよい。

 …と、こう書くと、何やら牧歌的に過ぎるだとか、会費も払わないのに記念品だけ受け取るフリーライダーを許容するのかだの言われるのは目に見えている。それでも、あえて、贈与として整理しておいた方がことは平和に済むと主張したい。

 仮に、卒業記念品をPTA会員のこどものみに渡すとしよう。そうすると、PTAは、会費を受け取ると同時に卒業記念品を引き渡す債務を負う契約を締結することになる。さて、ここで問題になるのは、PTA会員でありながら卒業式に出席しない・できないこどもの卒業記念品だ。PTAは卒業記念品を引き渡すべき債務があるのだから、卒業記念品を引き渡さないことは債務不履行になる。いじめや不適切な指導によって学校に行けない状態になったまま卒業式を迎えてしまったこどもの場合、このような「債務不履行」が起きるリスクが高くなる。こどもが卒業式に出てこなければ、紅白まんじゅうも、バウムクーヘンも渡せませんよ?まして、訴訟が起きていて、卒業証書を法廷で渡すなんて事態になるまで学校とこども・保護者の関係がこじれていたら。ますます紅白まんじゅうやらバウムクーヘンどころじゃなくなる。ってか、わたしがそうだった。親がPTA会費は払っていたが、卒業記念品は渡されてない。これって債務不履行になりません?もう今さら時効だからわざわざ訴訟を起こすこともないですけど。ただ、そこまでこじれにこじれ切っている保護者とこどもが、この際PTAを債務不履行少額訴訟を起こすことは考えられるわけだ。そうなったらどーします?債務不履行にならないために内容証明で受取の催告を出します?ああ恐ろしや。余計こじれそう。

 卒業記念品は贈与ってことにしておく方が平和だと書いたのは、まさにこのような理由だからである。贈与ならば、取りに来ないなら後から文句を言うなと法的に言えますけど。せせこましいことを言うことは、PTAを縛ることにもなることには気づきたい。「贈与」として整理する方が何かと平和である。