ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

「支配のためのコスト」ってのはつまりこういうことなんですよ

1   すべて人は、勤労し、職業を自由に選択し、公正かつ有利な勤労条件を確保し、及び失業に対する保護を受ける権利を有する。
2   すべて人は、いかなる差別をも受けることなく、同等の勤労に対し、同等の報酬を受ける権利を有する。
3   勤労する者は、すべて、自己及び家族に対して人間の尊厳にふさわしい生活を保障する公正かつ有利な報酬を受け、かつ、必要な場合には、他の社会的保護手段によって補充を受けることができる。
 4  すべて人は、自己の利益を保護するために労働組合を組織し、及びこれに参加する権利を有する。

―世界人権宣言

 

 昨日の記事の続き。昨日の記事はこちら。

syou-hirahira.hatenablog.com 「社会がこんな待遇しかくれないなら無差別殺傷をするのも当然」だと言わんばかりの発言をしているひとの一人、暗黒チー牛(@darktigyu)氏の、旧Twitter(現X)での投稿を引用する。

 この投稿、なぜ「障害者か、パートのおばちゃんでも出来るような職場しか選択肢が無い」ことが問題なのか何の説明もされていない。

 パート労働者であろうと、障害者雇用であろうと、皆等しく労働者だ。であるからして、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」(労働基準法第1条第1項)。パート労働者や障害者雇用の労働者の労働条件が「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの」でないことが問題だ。正社員になれないことが問題なのではない。なぜ、パート労働者がここまで馬鹿にされなければならないのか。なぜ、障害者雇用の労働者がここまで馬鹿にされなければならないのか。自身の低賃金を社会の責任だと主張している割には、「障害者か、パートのおばちゃんでも出来るような職場」とやらの労働条件を引き上げよとは主張しない。暗黒チー牛氏は、自らをはじめとする「弱者男性」さえ好待遇の正社員採用されれば、「女性のパート労働者」や「障害者雇用の労働者」を安く使い捨てていいと言ってるようなものではないのか。「無敵の人」の苦痛なるものが「支配のコスト」だと言った意味は、つまりこういうことだ。

 あのあたりの界隈の人間の労働市場での競争相手は女性パート労働者で、女性パート労働者の賃金が低く抑えられている限りずーっと低賃金のまま。女性パート労働者の賃金を低く抑え続けたまま自分だけ好待遇になることはあり得ない。低賃金で働くひと(主に女性パート労働者)とギルドを組んで「これ以下の賃金では労働力を提供しない」との賃金カルテルを締結しないと賃金は上がらない。ギルドとはつまるところ労働組合。その労働組合を冷笑するんだからお話にならない。

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