ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

家族が大切だって、いったい誰が決めたんだい?

 COVID-19の感染拡大防止対策を語る医療者の口から、割と気軽に「大切な家族」ってフレーズが飛び出す。「家族」「家族」と強調されると、ものすごーく嫌な気持ちになる。「おいおい、夫や妻や家族が愛すべき存在だなんて、いったい誰が決めたんだよ」(「救命センター当直日誌」浜辺祐一、集英社文庫)とね。
 子どもを支配している親と支配されている子どもだって家族だぜ。支配されている子どもが支配している親を愛すべきって、どういう資格があってそんな残酷なことを言えるんだい?
 
 家族の拘束力が高まっていて、しかも、どうやらその悪影響は女性に来ているらしい。もともと従来の家族ってのは男女不平等なものだったが、家族の拘束力が強まるってのは女性に対する男性の支配をさらに強くすることでもある。早合点は禁物だが、2020年中の男性の自殺者数が減った一方で女性の自殺者が増えたのはこれが原因じゃなかろうか。支配する側の男性にとってはそこそこ心地よく、支配される側の女性にとってはたまったものではなかったと考えると納得できる面はある。この点、ジェンダー学の専門家も研究してほしい。