ふらふら、ふらふら

あっちこっちふらふらしている人間が何かを書いてます。

2024-01-01から1年間の記事一覧

【注意喚起】相続の相談は、とりあえず弁護士へ。

Webを見ていて驚いた。弁護士資格はおろか、隣接法律専門職の資格さえ持たない人間が相続の相談を受けるなんてWebページがあったからだ。そんなWebページを公開する団体の求人広告(厳密には個人事業主の募集だが)を見ると、紹介だけで数十万円~数百万円の…

「実子誘拐」なる概念に潜む不平等

共同親権を推進するひとたちは、「実子誘拐」「実子連れ去り」なんて言葉を使って、こどもと一緒に自分の下を去った(元)配偶者を非難したりしている。 これ、かなり不平等ではなかろうか。同居していた家にとどまり続ける方は、いちおうこどもと一緒に生活…

共同親権推進派が考えるほど、日本法は「親による保護の権利」を信用していないし、日本法のこの態度はリーズナブルだ

ちょっと前にこんな投稿を見かけた。 注目されて日が浅いかもしれませんが、何年も前から議論されてきたからです。他の問題と比べて云々という意見もありますが、解決のスピードを競うものでもないですよね。世界の潮流は、共同親権です。とくに欧米では、子…

橋本崇載さんは、共同親権が原則のフランスだったら親権剥奪される

共同親権推進派は「外国では共同親権が当たり前!」なんて触れ回っているが、肝心なことはいつも伏せているからたまらない。たとえば、共同親権が原則のフランスでは、橋本崇載さんのようにもう片方の親である者に対する犯罪を犯した場合、それがいかなるも…

共同親権は、怠惰な相手方を勤勉にする効果は持たないぞ。

はてなブックマークに書くには長すぎる文章なのでこっちで。 anond.hatelabo.jp 共同親権を取って逐一養育状況を確認したい、単独親権を取らないのは自分ひとりで育てられない、相手方に監護させれば相手方の両親が面倒見てくれるとの狙いらしい。甘いな。甘…

くじで大学進学者を選抜する方が公正なんじゃないでしょうかね(皮肉)

このまとめに対する反応の続き。 togetter.com 「地方」の「女性」が慶応大学に進学してくるまでには、「地方出身」であることと「女性」であること、二つの困難を乗り越えなければならない。「東京出身」の「男性」には認識できない実情がある。「家庭の経…

慶應義塾大学の食料支援、女子であるというだけで大学進学に不利であることの手当だってば

はてなブックマークに書くには長すぎるからこっちに書きますけど、貧富の軸のほかに女男の軸、地方在住・首都圏在住の軸があって、「貧」はもちろんのこと「女」「地方在住」も慶応義塾大学進学に当たって不利な属性になる。「女の子をわざわざ東京に出す必…

ベニヤ板のような「人望」よりも、ひとにどれだけ仕えられたかを追い求めたい

ここ何週間か、「わたしは人望ありませんから」とあちこちで言ってきた。自虐ネタを披露していたつもりだった。だが、つい最近、FEBCの番組「生誕95周年記念・朗読「真夜中に戸をたたく キング牧師説教集」より 9 めだちたがりや本能」を聴いてから、誇りを…

差別心の表出と逆切れ:コミュニティ内の摩擦

もうおととしのことだ。「あの歳で高校に行こうなんておかしいでしょ、大検取って通信制大学行けよ」などとわたしに陰口を叩いた人間がいた。その人間が属するコミュニティで、この発言が問題視されることはついぞなかった。明確な差別発言なんだが。日頃人…

「生きづらさ」なる言葉への疑念:人権侵害を覆い隠していないか

E及び控訴人らは、それぞれ、地元の小中学校を卒業後、Eにおいては昭和六〇年四月、控訴人Bにおいては昭和六三年四月、いずれも福岡市内にある同じ私立高校に進学したが、Eは、二年留年して平成二年三月に高校卒業と同時に就職して同年四月一日付けで本…

「多様な学び」=うどん屋が、定食屋を増長させている

この記事を読んで。 hyouryu.hatenablog.jp これ、定食屋が「うちの店はあなたみたいな人が入れる店じゃないです、そこのうどん屋でうどんを食べられますよ。うどんが食べられればいいでしょ?」「うどん屋が高すぎるなら家でありあわせのものでも食べたら?…

教育の機会均等とは?:埼玉県の県立高校エアコン設置

埼玉県は県立高校の普通教室のエアコン設置について、ずいぶん長い間PTAや同窓会の費用負担で設置するものとしていた。2018年に方針を転換し、県の予算で設置するように予算措置を行った。この時点でエアコンが設置されていなかったのは児玉白楊、岩…

PTA未加入者の卒業記念品―「債務不履行リスク」を考えると。

この記事。 mainichi.jp まあ、いろいろギスギスしているなあ、せせこましいなあとは思った。PTAってのはその学校に通うこどもすべてのことを考える組織なんだから、保護者が非会員だからと区別することなく卒業記念品を贈与したらいいじゃないですか。PTA会…

女性専用車両に男性が乗る権利はあるが、そんなことした男性が冷たい目で見られるのは受忍しなきゃね

女性専用車両に「抗議乗車」と称して乗車した男性乗客が、女性乗客から暴行被害を受ける事件が発生したらしい。まあ、暴力はよろしくない。女性専用車両に男性が乗車するのは不当ではあっても違法ではないのだから、正当防衛が成立する余地もない。 とはいえ…

障害者施設の職員が権力を持ってしまうのは避けられない。残念ながら。

これは障害者施設という状況が大きく影響していると見た。どれだけ「ご利用者様の自己実現を目標として業務をしています」と言っても、施設職員が権力を持ってしまっている事実はある。脱施設化が予算削減の口実に使われることはよろしくないが、脱施設化そ…

あえて「定番」からずらしてみると、お財布にも環境にもやさしいかも

昨日の記事の続き。この記事に、5月の大型連休中の宿泊料金が高すぎて東京への旅行を諦め、旅行先を山形に変更した大学生が紹介されていた。 www.nhk.or.jp 昨日も書いたように、今のところは東京の宿泊料金高騰は、「過密」が生み出している。魅力的な「オ…

要は「密」だからだってば。

あれほどまでに密が問題になり、JR東海が「ずらし旅」を提案してからまだ5年も経ってない。にもかかわらず、あっという間にひとは「密」の怖さを忘れ、また密になる。オーバーツーリズムがその地域に住むひとの生活を破壊するのは、日本国外でも発生してい…

「よくはない」が「仕方ない」

この投稿を見て違和感を覚えた。 施設でも、余暇活動や作業をして、毎日安心して、その人らしく暮らせるのならそれでも良くないですか?地域住民に嫌われている中で、GHで生活させて、結局は近隣トラブルや反対運動になって、その原因を『地域住民の障がい者…

「支配のためのコスト」ってのはつまりこういうことなんですよ

1 すべて人は、勤労し、職業を自由に選択し、公正かつ有利な勤労条件を確保し、及び失業に対する保護を受ける権利を有する。2 すべて人は、いかなる差別をも受けることなく、同等の勤労に対し、同等の報酬を受ける権利を有する。3 勤労する者は、すべて、…

「無敵の人」の苦痛は「支配のためのコスト」

法務省法務総合研究所の研究「無差別殺傷事犯に関する研究」*1をめくった。この研究によると、無差別殺傷事犯の加害者の99%が男性であった。一方、被害者は「一般殺人に比べると,女性と子どもの比率が高い。」とのこと。無差別殺傷事犯の加害者が、効率…

不安全な行動を促進する組織文化の中で育ったこどもの「知る権利」「忘却しない責任」

東京シューレの性暴力事件、突飛な個人がいきなり起こした事件と考えるには無理がある。事件に至るまでには、数々の不安全な行動があった。さらにさかのぼれば、そのような不安全な行動を促進する組織文化があったはずだ。そのような、不安全な行動を促進す…

建設関係で働くひとの給与が高い事実はない

このまとめで「現場作業の賃金は上がっている、ネット民がバカにしているだけで」との主張が展開されていた。 togetter.com そこで、ここで述べられている「現場作業」の代表格である建設職の給料がそんなに高いのか、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(…

その面会交流の強制、もしかしたら「子殺し」かもしれない

離婚して別居した親とこどもの面会交流について、こんな記事を見つけた。 doihouritu.blog.ss-blog.jp 大人が責任をもって面会交流をこどもに押し付けるべきである、とするのがこの記事の論旨である。こどもは「会いたい」と言えないのだからとの理由もつけ…

「ひきこもり」概念が持っている立場性

「ひきこもり当事者」とはいったい誰のことを指すのか疑問になった。特に議論がされることなく「ひきこもり当事者」なる言葉が使われているが、そもそも「ひきこもり当事者」とはいったい誰のことなのか。 わたしが見た範囲では、南関東の中流家庭に生まれ育…

「共同親権」推進派が支配欲むき出しなのは必然

こんなまとめを見つけた。 togetter.com コメント欄に「共同親権自体は絶対的に悪な概念ではないのに、なんで共同親権派は知り合いにもしたくないレベルのヤバい奴しかいないんだ」とのコメントが。このコメント、結構勘違いしている。 共同親権なる制度は、…

「親の権威」が無条件に「よきもの」とされていた国の「共同親権」を持ち込むことの無謀さ

今日(2024年1月30日)、法制審議会の部会が「共同親権」の導入を盛り込んだ親族法改正案要綱を答申した。ちょっと待ってよ、とわたしは言いたい。推進派は欧米では共同親権が当たり前などと言いますが。そもそも「親権」に関するとらえ方が欧米と日本では…

ひとがケアを必要とする「面倒な存在」であることを忘れてやしませんか。もちろん、移民労働者も同じ。

人間は、実に面倒な生き物である。生まれてから18年くらいは誰かが世話をしないと生きていけないし、病気にもなれば怪我もする。年を取ればまた誰かの世話を必要とする。そんな、面倒な存在が人間だ。言い方を変えれば、人間はケアを必要とする存在だ。人…

ひきこもり当事者活動の世界に根強く染みつく「免責の文化」

不登校新聞社の石井志昂氏を対談イベントに呼んだ斎藤環氏に、栗田隆子さんが異議申し立てをした。栗田隆子氏の異議申し立ての背景にあるのは、東京シューレにおける性加害事件だ。東京シューレ性加害事件で直接に加害行為を行った人物は、不登校新聞でも活…

莫大な資金が投じられたインフラによって繁栄を謳歌する都民による傲慢な「能登半島強制移住論」

特別区長会(東京23区の区長で構成される団体)は、かつて「「東京富裕論」への反論」んなる文書を取りまとめた。以下のURLから読める。 www.tokyo23city-kuchokai.jp 2007年に取りまとめられた文書を読むと「極度の企業の集中、人々の移動等が、交通、都…

悪の凡庸さにどう向き合えばいいのか、わたしはまだ言葉を持たない

悪はあまりにも凡庸だ。だれもが加害者になり得る。東京シューレ性加害事件の加害者も、ルドルフ・フェルディナント・ヘス(アウシュヴィッツ強制収容所元所長)と同程度には凡庸な人間だったのではないか。ふとそんなことを思わせる書物の一節を見つけた。 …